2009年に神崎町の河岸通り商店街で実に35年ぶりの出店として「月のとうふ」は開店しました。店主は周浦宏幸さん。奥さんの智美さんと二人三脚で毎日美味しい豆腐をつくっています。
こちらの豆腐の材料は、地大豆と地下水、にがり。神崎産の地大豆をベースに、豆腐の種類に合わせてタマホマレやミヤギシロメという品種の国産大豆をブレンド。濃厚な豆の甘さを引き出しながらも、毎日食べても飽きのこない味は、周浦さんの日々の研究のたまもの。豆乳のとろりとした味わいは、それまでの豆乳の概念が変わるほどです。
豆腐屋は、町にはなくてはならない存在
豆腐職人になる前は東京でサラリーマンをしていた周浦さん。体調不良を玄米菜食中心の食生活で改善したのがきっかけで、"農"に近い仕事への転職をかんがえていたところ、池袋の名店、大桃豆腐の求人と出会い退職。2年間みっちり住み込みの修行生活を送りながら豆腐づくりのノウハウを学びました。
「ギリギリのところで仕事をする大桃さんの姿勢を間近で見られたことが、何よりの経験でしたね。」
修業後は、大桃豆腐の定休日に豆腐をつくらせてもらい、神崎で週に一度の予約販売を始めます。それが400丁も売れる人気商品となり、町内での開業へ繋がりました。
「豆腐は日本人にしかできない繊細なもの。町の機能としても豆腐屋はなくてはならないものだと思いますね。地元のおばあちゃんのアドバイスをもらって大きさを変えた油揚げも、おかげさまで好評なんですよ。」
オープンして3年、月のとうふは、町民にとって欠かせない存在となりました。
